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【新国立競技場】ゼネコンの見積もり額を日本スポーツ振興センターが『ふっかけている』として無視

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白紙撤回となった新国立競技場のザハ・ハディド氏のデザインですが、施工予定ゼネコンが提出した見積額を、日本スポーツ振興センター(JSC)が無視していた事が判明しました。

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新国立、見積り軽視…言い値だから下げられる?

当初ハディド氏側から総工費1300億円と提示され、公表時には1625億円とされました。

ところが施工予定ゼネコンが見積書を元に計算したところ、倍近い3088億円かかるとの計算になったのです。

特殊構造のための資材調達や技術者確保のために、それだけの費用がかかるという事でした。

ところが、JSC側はこの額を「ゼネコンがふっかけているだけ」と判断し、文部科学省も同様の見解を示していたのです。

公共工事の大きな問題点

公共工事には大きな問題点があります。

人件費を安く見積もり過ぎているのです。

国土交通省による「平成27年2月から適用する公共工事設計労務単価について」を見ると、それがわかります。

東京都の場合、「普通作業員」は192,000円、「軽作業員」は13,700円です。

ところが、ご存じの通りゼネコンには作業員はいません。

工事は下請に丸投げになります。

ゼネコンが行なうのは現場の総指揮のみです。

これが下請1社ですむ工事なら良いですが、通常は下請から更にその会社の下請へ、更に…と、孫請けひ孫請けは当たり前なのです。

新国立競技場のような大規模新築工事ともなれば、ひ孫でも足りないかもしれません。

下におろすたびに金額が2~3割下がると言われています。

それを東京都の労務単価にあてはめてみると、各2割下がるとして

普通作業員の場合

  1. 19,200円(ゼネコン)→
  2. 15,360円(下請)→
  3. 12,288円(孫請け)→
  4. 9,830円(ひ孫請け)

軽作業員の場合

  1. 13,700円(ゼネコン)→
  2. 10,960円(下請)→
  3. 8,768円(孫請け)→
  4. 7,014円(ひ孫請け)

となります。

ところが、実際のこの額で請けてくれる下請・孫請けたちはまずいません。

その会社の事業経費を考えたら、上記の額すべてを作業員に払える訳ではないからです。

事業経費として2割引いたら、最低賃金額を割る額になってしまう場合もあります。

作業員も現在人手不足だということを知っていますから、より高給をもらえる企業にすぐ移ってしまいます。

彼らを引きとめるには、あまりに少ない額です。

外国人実習生の受入規制を急遽緩和したのも、3K職場に日本人が居つかないことを政府がわかっているからでしょう。

彼らなら最低賃金額さえ払えば働いてくれますし、そう簡単に逃げ出すことがないからです。

とはいえ、金稼ぎだけのために来日した彼らが使い物になるまでには時間がかかりますし、日本人指導者がつきっきりで作業を教えなくてはいけません。

ゼネコンもそういった下請の事情はわかっていますし、今回のような世界が注目するオリンピックの象徴となる建物を、下手な下請業者に頼む訳には行きません。

何かあったら非難されるのは自分たちだからです。

ゼネコンの言い値は妥当

新国立競技場の元施工予定ゼネコンはそういった事をすべて計算に入れて、人件費を算出したのでしょう。

日本スポーツ振興センターも文科省も、こういったことを全く理解していません。

だから簡単に「ゼネコンの言い値だから下げられる」と判断したのでしょう。

ゼネコンが色々と上乗せしている事も確かかもしれません。

ですが、当初の2倍近い金額を見積もって来た時に、細かく内訳を見て説明を受ければ、それが言い値か妥当か、わかったのではないでしょうか。

実際に新国立競技場を建てるのは建設業者です。

彼らを無視して事を運ぼうとしても、絶対に無理が出るのです。

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