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アフガンの米軍誤爆を受けた「国境なき医師団」とは? 命をかけた医療活動

Since November 2007, MSF provides primary health care, ambulance service and distribution of relief items to the population of the conflict-ridden district of Swat, Northwest Pakistan.
所要時間:約554

米軍が、10月3日アフガニスタンの北部クンドゥスで「国境なき医師団」の病院を爆破し、スタッフ12名と患者7名が死亡、37人が重軽傷を負いました。

タリバンがクンドゥス州を制圧したことに危機感を強めた米軍が空爆を行なったためです。

誤爆とされていますが、国境なき医師団がアフガン政府・アメリカ政府に空爆の連絡をしてから30分以上、爆撃が続けられたとのことです。

「国境なき医師団」という名称は誰でも聞いたことがあると思います。

世界中の、医療が必要とされる人々のところで活動する団体だというのはわかりますが、それ以上はあまり知らない人が多いのではないでしょうか。

詳しく調べてみました。

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「国境なき医師団」とは?

本部をスイス・ジュネーヴに置く、「中立・独立・公平な立場での医療・人道援助活動」を目的とした団体です。

略称はMSF、1971年12月20日に設立されたNGO(非政府組織)です。

現在、第三世界の貧困地域や紛争地域を中心に活動しており、年間約4,700人の医療関係者を派遣しています。

現在活動は「オペレーション支部」といわれる5か国が運営を担当し、14か国の「パートナー支部」が医師団へのボランティアを募集したり広報・募金活動などを行なっています。

  • オペレーション支部―オランダ・スイス・スペイン・フランス・ベルギー
  • パートナー支部―カナダ・アメリカ・イギリス・イタリア・オーストリア・スウェーデン・デンマーク・ドイツ・ノルウェー・ルクセンブルグ・ギリシャ・オーストラリア・日本・香港

どんなメンバーがいるの?

大きくわけて、医療従事者と非医療従事者に分かれます。

1.医療従事者

内科・小児科・産婦人科・外科・整形外科・形成外科・精神科・麻酔科など、あらゆる科の医師が登録しています。

また、薬剤師・看護婦・臨床心理士・疫学専門家などのメディカルスタッフも登録しています。

2.非医療従事者

非医療従事者とは、物資を調達し管理したり、一般企業でいう財務・人事(アドミニストレーター)、現地での足となる車両の整備、現地の活動拠点となる建物の建設などを行なっています。

医療従事者がスムーズに活動を送れるようバックアップする人々のことで、彼らの存在なしには医療従事者は安定した活動を行うことができません。

参加する資格は?

まず、当然ですが臨床経験・実務経験が必要です。

それに加え、以下の、主に精神面での能力や資質が求められます。

  • 異文化の劣悪な環境に適応する能力
  • 国籍も経歴も違う仲間と一丸となって活動する、人間関係をうまく築く能力
  • 厳しい状況下で、困難と向き合い、どんなストレスにも対処できる能力
  • 現場のニーズを的確にとらえ、それに沿って即座に対応できる柔軟性
  • 語学力(英語・フランス語・スペイン語など)
  • 各自がプロフェッショナルとして、自分の業務を的確に、自信を持って行う能力
  • 劣悪な環境でも活動できるだけの体力や環境への適応力

その他、発展途上国で生活した経験や各国語能力(中国語、アラビア語、ロシア語など)があればより良いとされています。

派遣期間は原則として6ヵ月ですが、アドミニストレーター(財務・人事)は12か月となっています。

ボランティアだから無給?現地での生活費は?

日本で「ボランティア」というと全くの無給での奉仕という意味で使われますが、それは誤った認識です。

元々ボランティアVolunteerというのは「志願兵」という意味で、十字軍などの宗教に関連して使われていました。

ボランティアの要素は「自発性・無償性・利他性・先駆性」とされます。

この「無償性」が現在は変化し、何から何まで手弁当の場合もあれば、交通費や食費など最低限の実費、一定の謝礼を受ける場合もあるのです。

「国境なき医師団」は有償ボランティアです。

日本支部から参加する場合、給与として日本円で153,106円が毎月本人の日本の銀行口座に支払われます。

参加期間が通算で1年を超えると昇給します。

海外派遣に伴う諸経費は医師団側が持ちます。

予防接種・健康診断・航空運賃・ビザ所得費用などです。

現地での住居も用意されます。

個室が原則ですが、相部屋になる場合もあります。

現地での生活費として、別途日当が現地通貨で支払われます。

ただし、このうちの60~70%は食費として共同の資金となります。

その他、社会保険や医療保険も完備され、すべて医師団側が費用を持つことになっています。

資金はどこから出ているの?

これらの費用は活動資金から出されています。

資金は8割が個人からの寄付で、その他企業や欧米政府からの寄付です。

日本支部への寄付の場合、寄付総額は2014年が約70億円で、その98.5%が個人や一般法人からです。

その他現物やサービスの提供という形での支援も多くありました。

2014年は特にエボラ出血熱への支援としてシエラレオネやマリ、リベリア、ナイジェリアに多く使われています。

その他ケニア・南スーダン、シリア、イラク、ヨルダン、コンゴ、ハイチなどにも多額の支援を行ないました。

実際の活動はどんなもの?

活動地をまずは事前に調査し、必要に応じた活動をしています。

1.診療

もっとも基本的な活動です。

現地にある医療施設で医療を行なったり物資支援を行うこともあれば、新たな施設を設置しての活動もあります。

2.外科手術

紛争地域では常に外科処置を必要とする患者が多いにもかかわらず、現地の医療施設ではそれが不可能な場合が多いです。

そのため、医療団の医師が現地で外科手術や治療を行ないます。

3.予防接種

難民キャンプなどで、伝染病を防ぐために行ないます。

これによって劣悪な状況下でも病が広がることなく、多くの命が救われます。

4.心理ケア

現地で被災を受けた人々は、肉体以上に精神が傷ついています。

その為のメンタルケアを行ないます。

その他、栄養補給や母子保健、衛生面の改善、援助物資の配給なども重要な活動です。

このような活動を続けるには、多くの寄付が必要です。

直接寄付しなくても、たとえば無料の社会貢献サイトからワンクリックするだけで、そのサイトから寄付が行なわれます。

http://gooddo.jp/gd/group/msf.japan/

昔から「日本人は寄付やボランティアに無関心だ」と言われて来ました。

ですが、それが全くの誤解であることは、日本国内で起きた多くの自然災害への全国からのボランティアや寄付でわかります。

日本人は自然と共に生きて来たからこそ、自然への畏怖があり、自然災害に対して力を合わせて行きぬいて来た歴史があるのです。

世界各地で最低限の医療も受けられずに亡くなっていく人々が一人でも減るように、個人個人ができることをしていきたいですね。

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