TSUTAYA図書館はなぜ批判を受けるのか? 置いてある本はTSUTAYAの在庫処分や中古本?

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最近何かと話題に上る「TSUTAYA図書館」。

TSUTAYAというと、書店の中でも若年層中心の品揃えというイメージがあります。

紀伊国屋書店や三省堂のようなオールラウンドの老舗書店が図書館を展開するのならわかるのだが、と感じる人も多いのではないでしょうか。

TSUTAYAとは、どんな企業なのでしょうか。

TSUTAYAとは?

企業名をカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社(CCC)といい、東京・渋谷区に本社があります。

TSUTAYAの名称で書店やレンタル店を経営しており、ネット事業や「Tポイント」の運営も行なっています。

東証1部上場企業でしたが、2011年に上場廃止となっています。

1983年、大阪・枚方市に「蔦屋書店 枚方駅前店」として創業。

「蔦屋」という屋号は、創業者の祖父が経営していた置屋「蔦屋」にあやかったものです。

精力的に事業展開をおこなっており、傘下にネットオフ(現・リネットジャパングループ)、フランチャイジー店にエディオンなどがあります。

佐賀県武雄市での図書館事業

佐賀県武雄市図書館は、2000年に開館した市立図書館です。

開館時間の延長、図書館システムの更新などを行なった後、2012年に当時の市長、樋渡啓祐氏が市議会の承認を得ないまま、CCCを指定管理者に選定しました。

2013年からCCCによる運営が開始され、図書館内に蔦屋書店やスターバックスを設置するという、企業色のある事業展開を行なっています。

スペース確保のため、それまであった読み聞かせの施設や畳のコーナー、蘭学館などが閉鎖されています。

2011年にはスマートフォンで武雄市図書館の蔵書が読めるようにする「武雄市MY図書館」のサービスを開始しました。

樋渡市長による肝いり事業でしたが、2012年時点で当初の「約10万冊」には程遠い150冊しか電子化しか出来ていないことが判明。

その後も放置されています。

2014年4月にリニューアルオープンされましたが、その際それまであった本やDVD、佐賀県郷土文化誌など8,760点が廃棄処分にされました。

その代わりに新たに購入されたものの中には、10年以上前に発行された本や埼玉の観光ガイドが含まれていました。

2001年の公認会計士受験問題集やWindows98/95テキスト、2000年以前に発行されたダイエット本などで、更にこれらの書籍がすべて傘下のネットオフから購入した中古本であったことが判明。

CCC側はTSUTAYAの在庫処分ではない、ネットオフの在庫数が多いものから選択した、と回答しています。

また、絶版になって世の中からなくなってしまうには惜しいものを選択しており、ネットオフから購入したのも品揃えが良いからである、とも述べています。

2015年7月には不透明な選書方法や運営のずさんさを懸念する武雄市民から、住民訴訟を起こされています。

TSUTAYA図書館招致者、前市長の樋渡氏に対し1億8千万の損害賠償を求めており、9月に裁判が始まったばかりです。

神奈川県海老名市の「図書館流通センター」共同事業体

「図書館流通センター」とは、主要株主が丸善である、図書館向けに特化し書籍の販売や業務委託を行なっている株式会社です。

発行後10日程度で書籍を図書館に送ったり、定期刊行物を自動納品したりといった書籍流通のほか、図書館の業務委託にも着手。

現在福岡市、桑名市など計350の運営を行なっています。

海老名市図書館はこの図書館流通センターの共同事業体としてCCCを選定したのです。

ところが武雄市図書館同様、古い書籍が多い事や選定基準に合っていないと思われるものがあった事から、市民の批判が集まっています。

今回騒がれているのは、蔵書の中に、性的サービスのある風俗店を紹介したタイ・バンコクの歓楽街ガイドがあった事でした。

市教委は選定基準内であると主張しています。

愛知県小牧市 新しい図書館の建設

小牧市では、CCCに運営を委託する新しい図書館の建設を計画していました。

市は武雄市図書館で実績があることから、CCCに運営を任せるつもりでした。

ところが市民グループが猛反対。

民意を全く聞かずに民間企業に公共施設を運営させる事は許されない、との主張です。

2015年10月4日に住民投票が行われ、有権者による投票によって図書館の建設は約44対56で否決されました。

この投票には法的拘束力はないとされていますが、市議会が住民投票を決めたこともあり、市長の今後の判断が注目されています。

CCCが図書館を運営する事に反対する理由の一つが、Tカードの導入です。

Tカードを貸出カードとして利用でき、ポイントも付くというシステムです。

図書利用カードとTカードどちらかを選択できるのですが、約95%の図書館利用者市民がTカードを選択しています。

その事からすれば殆どの図書館利用者がTカード導入に賛成とも考えられますが、問題は貸出履歴がCCCに流れる事です。

これまで暗黙の了解として機能していた「読書の秘密を守る」が働かなくなってしまう事に対し、一部識者からは懸念の声が上がっています。

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